12/5(水)「九州シェアリングサミット2018 in 長崎」は、長崎県佐世保市の活気あふれるアーケードの一角にある「佐世保中央公民館」にて開催された。
九州シェアリングサミットは、九州シェアリングエコノミー推進協会が主催し、2018年5月福岡での第1回開催から、7月に熊本、9月は鹿児島、10月に宮崎、11月の佐賀の開催を経て、今回で第6回目を迎えた。
第1回・第2回・第3回・第4回・第5回の様子はこちら
第1回
300人以上が参加!豪華なセッションで盛り上がりを見せた「九州シェアリングサミット2018」を振り返る
第2回
熊本初開催!!「九州シェアリングサミット in 熊本」を振り返る
第3回
インバウンドがテーマ!九州第3弾!「九州シェアリングサミットin 鹿児島」を振り返る
第4回
大盛況!「九州シェアリングサミットin宮崎」インバウンド観光客の集客×シェアリング事業での受け皿つくり
第5回
それ、武雄がやります。「九州シェアリングサミットin佐賀」を振り返る
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第1セッション [地方におけるシェアリングエコノミーの可能性]
>登壇者
簔口 恵美氏
内閣官房シェアリングエコノミー伝道師
ランサーズ株式会社
木藤 亮太氏
株式会社油津応援団専務取締役
株式会社ホーホゥ代表取締役
第1セッションには、クラウドソーシングプラットフォームを運営するランサーズ株式会社に所属し、内閣官房シェアリングエコノミー伝道師である簔口 恵美氏、”猫も歩かない”と言われた宮崎の油津商店街をリデザインした油津商店応援団代表 木藤 亮太氏が登壇した。
簔口氏
「シェアリングエコノミーとは、社会の経済活動に個人でも参加できるようになる新しい動きだ。世の中には、使われていないヒト・モノ・カネ・情報等がたくさんある。スマートフォンの普及によって、好きな場所で好きな時間に仕事ができ、地方に住んでいたり、ママさんなど企業勤めが難しい人でも、仕事を生きがいにできる。」
木藤氏
「油津商店街は”再生”したのではない。今後の社会でも存続できる商店街にリデザインした。商売の場として衰退した商店街に、IT系ベンチャー企業や新たに起業する事業者に絞って誘致し、支援した。”株式会社油津応援団”は地元の人以外のメンバーで構成され、この”まち”が好きな、外からの目で改革をおこなった。」
セッション内では、ランサーズ株式会社と長崎県西海市との提携事業の担当者も急遽登壇し、地域における身近なシェアリングエコノミーの事例を共有した。
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第2セッション [着地型観光 × インバウンドを呼び込む仕組みと受け皿づくり]
>登壇者
細川 哲星氏
内閣官房シェアリングエコノミー伝道師
株式会社ガイアックス TABICA事業部 地方創生室 室長
津田 佳明氏
ANAホールディングス/デジタルデザインラボチーフ・ディレクター
道越 万由子氏
株式会社BEYOND 代表取締役
社団法人JIFインバウンド連合会 副幹事長
第2セッションには、地方観光を新しい切り口で説明した。体験型シェアリングコミュニティTABICAの創始者である細川哲星氏、ベンチャーマインドで、新しいツーリズムを提案するANAホールディングス/デジタルデザインラボ 津田 佳明氏、インバウンド向けのSNSプロモーションを手掛ける株式会社BEYOND 代表 道越 万由子氏が登壇した。
細川氏
「TABICAは、「人のスミカを旅する」というコンセプトのもと、他の人の暮らしを少しだけ体験できるCtoCサービス。赤の他人とアットホームな交流ができる。各サービスのコンテンツ力に加えて、ホスト(サービスの提供者)のサービスに対する”情熱”に魅力を感じているユーザーが多い。」
津田氏
「ANAは本来ベンチャー的な意思を持っている企業だ。今後、新しいツーリングモデルを提案していきたい。代理店が提供していた従来のパッケージツアーから、より旅中の自由度の高いダイナミックパッケージに遷移している。シェアリングサービスを中心として、着地型観光の選択肢を提案していきたい。またライフスタイルとして、他拠点生活も推進している。」
道越氏
「インバウンドに特化した、多言語SNSプロモーションを手掛けている。旅行客の行動を調査すると、旅行前/旅行中は常に情報収集を行っている。そして、自らSNSなどで旅の様子を発信している。この一連の行動の仕組みを理解することで、より効率的に旅行客へのアプローチを組み立てることができる。Facebookのターゲティング広告なども活用し、旅行客として来てくれそう、来てほしい対象を絞ることで、費用対効果を上昇させることができる。旅行客の消費行動が食べ物や、お土産を買うといった”モノ消費”から、体験を中心とした”コト消費”へシフトしている。」
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第3セッション [IoT × シェアリングエコノミーで実現する地方創生]
>登壇者
伊澤 諒太氏
株式会社ミナサポ 取締役
ハタプロ・ロボティクス株式会社 代表取締役
小関 克稔氏
南島原市商工観光課
西岡 誠氏
九州周遊観光活性化コンソーシアム 代表
SASEBOまち元気向上委員会 企画分析担当
第3セッションには、”半官半民のIoTジョイントベンチャー”として南島原で活動する株式会社ミナサポ取締役 伊澤 諒太氏、南島原への企業誘致、創業支援を担当している南島原市商工観光課 小関 克稔氏、総務省発のIoTサービス創出支援事業の委託を受け、”車泊(くるまはく)”を新しい旅のカタチとして提案する九州周遊観光活性化コンソーシアム代表 西岡 誠氏が登壇した。
伊澤氏
「IoTを活用した地方でのスマート経営を支援している。フクロウを模した手のひらサイズの”ZUKKU”という小型協働IoTロボットを開発した。自動販売機の中にも設置でき、多言語の対話や画像認識機能をはじめ、IoT的デバイスとして機能する。」
小関氏
「南島原は鉄道すら走っていない。地方特有の課題解決のためには、IoT等の先進技術を導入していかなくてはいけない。コストや機能、現状での必要性(情報の活用先、効果が少ない)が、導入の上の課題にあるが、地域として、全国に先駆けて課題解決事例となりたい。」
西岡氏
「周遊着地型観光の拠点として、道の駅などで車泊(くるまはく)が快適にできるように、電源やWi-Fi環境を無人提供できる環境を九州全域で整備している。IoTデバイス、災害時に役立つ設備としても提案している。」
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第4セッション [長崎を更に面白くするためのヒト・モノ・カネ・情報の集め方]
>登壇者
森戸 裕一 氏
九州シェアリングエコノミー推進協会 代表
内閣官房シェアリングエコノミー伝道師
須永 珠代氏
株式会社トラストバンク 代表取締役
第4セッションには、当イベントを主催する九州シェアリングエコノミー推進協会 代表 森戸 裕一と、話題を集めるふるさと納税総合サイト”ふるさとチョイス”を立ち上げた株式会社トラストバンク 代表取締役 須永 珠代氏。
森戸氏
「人口が多く、何もしなくても経済の回る東京より、地方のほうが先進的なIT技術やシェアリングエコノミー等の仕組みを導入するべき。伊万里でPORTO3316というコラボレーションスペースを運営している。イケてる東京のベンチャーが来て、馴染める場所の整備も必要。」
須永氏
「ふるさと納税の市場規模は3600億円にも上っている。これまでは地域の物産品(モノ)が主な返礼品であったが、体験(コト)等のコミュニケーションの産まれる返礼を設定する行政も増えており、その地域との関りを作るとても重要な場所となってる。ECでは売れない地域の物産品が、ふるさと納税の返礼品としてだとドンドン売れていく傾向にある。災害時にもその強さを発揮する仕組みとして注目している。」
ふるさと納税の黎明期に総額全国一位に長崎県平戸市を導いた、同市役所の黒瀬啓介氏も会場に訪れていた。マイクを握り当時を振り返った。
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会場に面している佐世保アーケードでは、この日「きらきらフェスティバル」が開催されていた。クリスマスを控え、イルミネーションの美しい佐世保の街で、地域の人たちと一緒に盛大に ”乾杯”した。
来年の1月8日には、大分県日田市、翌日9日には、別府市でシェアリングサミットを開催予定です。
【概要】
イベント名:九州シェアリングサミット2018 in 日田、別府
インバウンド観光客の集客 × シェアリング事業での地域活性化のための受け皿つくり
開催日:(日田)1月8日(火)、(別府)1月9日(水)
イベントページ:
(日田)https://peraichi.com/landing_pages/view/hita
(別府)https://peraichi.com/landing_pages/view/sharingoita
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