九州・山口で計1000名以上を集めたインバウンド×シェアリングエコノミーのイベント「九州シェアリングサミット」。本年度(2019年度)は、「シェアリングサミット2019」として、九州・山口に限定せず、全国各地での開催を予定しています。
「シェアリングサミット2019」第1回目の開催地は、岡山県岡山市。
グランドオープンを翌々日に控えた6月25日、BRANCH岡山北長瀬にある、ハッシュタグ シェアスペースをお借りして、開催しました。グランドオープンに向け、最終調整が続く中でのイベント開催となり、BRANCH岡山北長瀬の関係者の方々のご協力に感謝します。
オープニング『多拠点生活と地域を元気にするベンチャー企業の動向』
登壇者
山口 豪志 氏
株式会社プロトスター 代表取締役COO 株式会社54代表取締役社長
オープニングは、岡山県岡山市出身で、現在、都心と田舎の2つの生活=デュアルライフ(2拠点生活)を楽しみながら実践中の山口氏が登壇し、「デュアラーのリアルと地域を活性化するベンチャー企業の動向」をテーマに、なぜ地域資本が必要なのか、地域コミュニティーに必要な3つの「場」、地域からベンチャー企業を生み出せるのか、などについてアツく語っていただきました。
第1セッション『CMSという連携基盤の活用とシェアリングエコノミー事業創造の可能性』
登壇者
山下 翔一 氏 株式会社ペライチ 創業者
細川晢星 氏 株式会社ガイアックス/ TABICA事業部室長
森戸 裕一 九州シェアリングエコノミー推進協会 代表 内閣官房シェアリングエコノミー伝道師
体験提供者(ホスト)数:約7,000人 サイト訪問者数:月間約300,000人のアクティビティシェアサービスTABICAを運営する、細川氏。「ICT地域活性化大賞2016」の奨励賞を受賞し、C to C の「地域の暮らし体験」シェア マッチングサービスとして展開するTABICAについて、「「住民自治」起点の地域ブランディングによる地域経済振興」「地域の多様な暮らし」との出会いによる「豊かな体験」の提供」をキーワードに、実際の体験事例や人気体験のテーマなどを解説。TABICAは、自治体だけではなく、着地型観光の体験プログラム作成やゲスト対応の伴走者として活躍する地域コーディネーター(個人・企業)との連携も強化しており、地方の関係人口の拡大にも一翼を担う可能性も秘めていると感じるお話しでした。
一方、集客力の高いスマホ対応のWebページ作成サービス『ペライチ』の開発・運営を行う、株式会社ペライチの山下氏は、2020年東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連合・自治体連合 代表サポーターも兼務。山下氏は、東京の渋谷ヒカリエで開催されたイベント(応援フェス)などを全国規模で開催し、全国のサポーターからの「応援のシェア」で地域の活性化に貢献。また、佐賀県(有田町)では地域全体を巻き込んで“学びの場” のシェアなども企画中とのことでした。
「シェアリングエコノミーの可能性は過去の常識を捨てることで最大化できる。本格的なデジタルトランスフォーメーション時代を迎え、基礎自治体の境界線や産業の違い、世代の違いなどを超えて、連携(シェア)による価値づくりは本格化してきている」と締めくくられました。
◆細川氏 講演資料:https://www.slideshare.net/yuichimorito/in-152069216
第2セッション『地域の活性化、観光インバウンドへの取り組み』
登壇者
道越 万由子 氏 株式会社BEYOND 代表取締役 社団法人JIFインバウンド連合会 副幹事長 茨城県 公式PR広報アドバイザー SNSマーケティング・インバウンドマーケティングプロデューサー
津田 佳明 氏 ANAホールディングス/デジタル・デザイン・ラボ/チーフディレクター
小林 昇太郎 氏 株式会社Bizres 代表取締役
第2セッションでは、海外マーケティングやSNSマーティングをテーマに全国で自治体や新聞社主催のイベントや大学にて年間60回以上登壇している道越氏が、「SNS×地方創生マーケティング」 これからのインバウンドでの効率的情報発信による集客術とは!?〜岡山ブランドを世界に発信しよう!〜」をテーマに登壇。新しい販売促進ツールとして自分たちのファンを囲った独自メディアの確立と、熱狂的ファンの囲い込の重要性について、事例をもとに解説。小林氏は、ムスリム市場規模の拡大に注目し、「地域の活性化 観光インバウンドへの取り組み~インバウンドにも有効なハラル事業 最前線~」と題し、ハラールビジネスの最前線にて進められているビジネスモデル、広島での事例を紹介。ヘリコプター2機のベンチャー企業として創業し、数々のチャレンジを繰り返して成長してきたANAの中に、既存組織とは一線を画したイノベーション創出部隊として発足した「デジタル・デザイン・ラボ」チーフディレクターの津田氏は、経営課題への対応における、「出生者数と出生地の変化」「都道府県別人口推計」「地方都市への需要創出」などの重要性を示しながら、ANAがシェアリングエコノミーに注目する理由を解説し、現在取り組んでいる、「モノ」「リソース」「場所」「移動」の4つの切り口による、様々なシェリングエコノミーサービスとの連携事例・構想について紹介されました。
◆道越氏 講演資料:https://www.slideshare.net/yuichimorito/2019-in-2
◆津田氏 講演資料:https://www.slideshare.net/yuichimorito/in-151913185
◆小林氏 講演資料:https://www.slideshare.net/yuichimorito/in-151915093
第3セッション『シェアリングエコノミーの潮流と各地での取り組み事例』
登壇者
藤井 弥生 氏 特定非営利活動法人輝くママ支援ネットワークぱらママ 代表理事
大山 真史 氏 テルウェル東日本株式会社 営業企画部 ビジネス開発部門長
西岡 誠 氏 九州周遊観光活性化コンソーシアム代表
このセッションでは、九州周遊観光活性化コンソーシアム代表である西岡氏がモデレーターとなり、三者の自己紹介、事業紹介のあと、キャンピングカーを活用した託児カー「ベビースポット」「車泊(くるまはく)」の実証実験、導入事例、Wi-Fi自動販売機によるWi-Fi環境整備事例について、随所に動画を交えて解説が進められました。その後、「働き方改革とリモートワーク(キャンピングカーのシェア活用)」「岡山におけるシェアエコの可能性(観光、防災、働き方)」をテーマに、トークセッションが繰り広げられ、働き方改革とリモートワークのテーマでは、赤ちゃん(1歳児)とキャンピングカーで日本一周を始めた、鳥取県在住の女性の方(と赤ちゃん)を特別ゲストに迎え、お話を伺いました。新しいリモートワークのスタイル、育児の在り方に、参加者の皆様は興味深そうに聞き入っていました。最後は、滞在型観光による地域経済の活性化について、「東京オリンピック・パラリンピックを来年に控え、インバウンドはピークを迎えるだろう。シェアリングエコノミーを活用し、観光客の受け入れ準備を本格化しましょう」と締めくくられました。
◆第3セッション講演資料:
https://www.slideshare.net/yuichimorito/in-151913710
イベント終了後の交流会も大盛況でした。
次回は、7月24日(水)に熊本県人吉市での開催を予定しています。
この記事へのコメントはありません。